みちのく銀行は、今年3月に金融庁が発表した「地域密着型金融の推進に関するアクションプログラム(17年度~18年度)」に沿い、平成17年~18年度を重点強化期間として積極的に推進していく「地域密着型金融推進計画」を下記とおり策定いたしました。
記
1.「地域密着型金融推進計画」の策定について
当行では、平成16年4月より中期経営計画(平成16年4月~平成19年3月)をスタートさせております。本計画においては、当行の「目指すべき企業像」として、
- 革新的ですぐれたリテールサービスの実現と地域における抜群の信頼性の確立
- 低コスト高収益構造の企業体質と健全性の一層の向上
- 一人ひとりの最大限の能力発揮と環境変化に迅速に対応する組織づくり
を掲げるとともに、「基本方針」を
- 「家庭の銀行」を基軸としたリテール戦略の展開
- 中小企業活性化、再生支援(リレーションシップバンキング機能)の充実
として、<収益力の強化と地域活性化への貢献>に向けて取り組んでいます。
また、中期経営計画の最終年度である平成18年度までに以下のとおりの基本計数目標を掲げています。
<基本計数目標>
1. | コア業務純益 | 110億円以上 |
2. | OHR(コア業務粗利益ベース) | 70%以下 |
3. | ROA(コア業務純益ベース) | 0.5%以上 |
4. | ROE(コア業務純益ベース) | 10%以上 |
5. | 自己資本比率 | 11%以上 |
6. | 不良債権比率 | 5%以下 |
「地域密着型金融推進計画」は、当行の「目指すべき企業像」を具現化していくための中期経営計画を補完する重要な推進計画と位置づけ、地域の皆様との信頼関係をより一層向上させていくとともに、地域経済の活性化・経営体力の強化を図ります。
<ご参考>「地域密着型金融」とは?
金融機関がお客さまとの間で親密な関係を長く維持することにより、お客さまに関する情報を蓄積し、この情報をもとに貸出金等の金融サービスの提供を行っていくビジネスモデルであり、地域と密着した経営形態をとる地域金融機関の経営手法そのものを「地域密着型金融(リレーションシップバンキング)」と言います。
2.推進計画の主な内容(別添資料「推進計画の要約」をご参照ください。)
1.事業再生・中小企業金融の円滑化
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創業・新事業支援機能等の強化
- 政府系金融機関、関連会社等との連携を強化しながら、ベンチャー企業や中小企業の技術開発等の情報提供を行う等支援体制を強化していく。
- 産学官ネットワークの構築と積極的な活用を図り、新たな企業発掘を行う。
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取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化
- 中小企業オーナーのニーズを把握し、取引先企業に対する経営相談・支援機能を強化していく。
- 経営改善支援の早期着手および迅速な企業再生を図るため、企業訪問等を継続的に実施しながら、個別企業の特性を踏まえた再生計画策定支援に取り組んでいく。
- 要注意先債権等の健全債権化等の実績について積極的な公表を実施していく。
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事業再生に向けた積極的取組み
- 事業再生ノウハウの習得ならびに政府系金融機関や中小企業再生支援協議会との更なる連携強化を図り、事業再生に向けた積極的な取り組みを実施していく。
- 再生支援実績や再生ノウハウの情報開示を積極的に行っていく。
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担保・保証に過度に依存しない融資の推進等
- 貸出後の業況把握の徹底を図るととともに、保証人名寄せ管理を徹底し、保証人に対する過度な保証債務を防止していく。
- 財務制限条項付融資の具体的活用方法について検討を行っていく。
- 中小企業金融公庫による証券化支援業務を活用した「みちぎんCLO融資」を積極的に推進していく。
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顧客への説明態勢の整備、相談苦情処理機能の強化
- 融資契約重要事項等の顧客に対する説明が十分に行えるよう、顧客説明マニュアルの策定等の整備を行う。
- 顧客に対するモニタリングを実施しながら顧客説明態勢の整備と相談苦情処理機能の強化を図る。
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人材の育成
- 企業の将来性、技術力を的確に評価できる能力、経営支援の能力向上など、事業再生・中小企業金融の円滑化を推進していく人材の育成を図る。
2.経営力の強化
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リスク管理態勢の充実
- 新しい自己資本比率規制の導入に備え、自己資本比率の算出方法の精緻化、リスク管理の高度化、情報開示拡充のための態勢整備を図る。
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収益管理態勢の整備と収益力の向上
- 信用リスクや経費額等のコスト算出を行うとともに、コストに見合った金利設定が行える体制、システム構築を目指し、収益管理態勢の整備と収益力の向上に取り組む。
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ガバナンスの強化
- 内部統制の有効性確立、監査体制の充実を図る。
- 証券取引法上の確認書の作成に向け、特に財務報告の信頼性に重点をおいた「財務報告に係る内部管理態勢」の構築、整備に取り組む。
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法令等遵守(コンプライアンス)態勢の強化
- 不祥事件等の未然防止を図るため、法令等遵守状況の点検態勢の強化を図る。
- 個人情報保護法の施行を踏まえた情報管理態勢の確立ならびにその有効性、実効性の確保を図る。
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ITの戦略的活用
- 法人営業推進体制を整備するとともにIT機能を活用し、ビジネスマッチング・営業事務支援の積極展開を図る。
- 顧客情報基盤の整備による顧客サービスの向上、ITインフラの利用による営業店支援機能の強化を図る。
3.地域の利用者の利便性向上
- 金融機関の社会的責任といった観点も考慮しながら、地域への資金提供の状況や預金等がどのように活かされているか等地域貢献の状況を開示していく。
- お客さまからの質問や相談等のなかで頻度の高 いものについての、解答事例を作成、公表していく。
- お客さまの満足度向上に重点を置いた経営を行っていくため、顧客アンケート調査等を実施し、その結果を踏まえながら経営計画等へ反映していく。
- 地域経済の活性化の観点から、産学官の連携、協力を図りながら、地域と一体となった取り組みを行なっていく。